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【Dステーション大間々】釘曲げで営業停止処分!他のパチ屋は大丈夫?

「Dステーション」という屋号で群馬県を中心にパチンコ店を経営する「NEXUS(ネクサス)」の店舗に対し、県公安委員会が6ヶ月以内の営業停止処分を決定し話題となっています。

この度6ヶ月以内の営業停止処分を受けたのは、「Dステーション大間々店」

群馬県みどり市にある郊外型の大型店舗です。

報道によれば、「Dステーション大間々店」の店長によりパチンコ台3台の釘が曲げられたことによる行政処分とのことです。

ご存知の方も多いとは思いますが、パチンコ店の営業は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、いわゆる「風適法」によって管理されています。

その法令に違反した場合には行政処分が下されることになるのですが、その量定基準は次のようにランク分けされています。

遊技業関係行政処分の量定基準

「Aランク」営業許可取り消し
・遊技機規則違反である遊技機に関する無承認変更、遊技機規制違反である遊技機の変更に係る偽りその他不正の手段による承認の取得(20条10項)
・名義貸し禁止違反(11条)
・営業停止命令違反(26条1項)

「Bランク」営業停止40日以上半年以下=基準期間3ヶ月
遊技機の無承認変更、偽りその他の不正の手段による遊技機の変更承認取得(20条10項)
・遊技機規制違反(20条1項)
・広告及び宣伝の規制に関する指示処分違反(25条)

「Cランク」営業停止20日以上半年以下=基準期間40日
・構造または設備の無承認変更、偽りその他不正の手段による構造または設備の変更承認取得(9条1項)

「Dランク」営業停止10日以上80日以下=基準期間1ヶ月
・遊技機の変更届出書・添付書類の不提出、虚偽の記載(20条10項)
・年少者立入禁止違反(22条4項)
・広告及び宣伝の規制違反(16条)
・構造及び設備の維持義務違反(12条)
・不正手段による(優良店)認定取得(10条の2の1項)
・営業時間規制違反(13条)

「Eランク」営業停止5日以上40日以下=基準期間14日
・(優良店)認定申請書・添付書類の虚偽記載(10条の2の2項)
・(優良店による)構造または設備変更届出書・添付書類の不提出、虚偽の記載(9条5項)
・遊技料金等規制違反(19条)
・遊技球等持ち出し禁止違反(23条1項3号及び3項)
・保管書面発行禁止違反(23条1項4号及び3項)
・管理者不選任(24条1項)
・従業員名簿の不備、虚偽記載(36条)

「Fランク」営業停止5日以上20日以下=基準期間7日
・構造または設備変更届出書・添付書類の不提出、虚偽記載(9条3項)

「Gランク」指示処分違反を事由とする営業停止(期間を定めず)
・許可証または(優良店)認定証掲示義務違反(6条)
・料金表示義務違反(17条)
・年少者立入禁止表示義務違反(18条)
・管理者講習の受講怠り(24条7項)

「Dステーション大間々店」のホームページをみると、昨年の11月25日から営業を自粛しているようで、既に6ヶ月近くの期間に渡って営業を行っていません。

更に今回の「遊技機の無承認変更」による営業停止処分が課せられることにより、営業再開は早くても9月上旬になるものと思われます。

この記事では「Dステーション大間々店」が営業停止処分に課せられた「釘曲げ」に関し、他のパチンコ店では違法な行為が行われていないのか?実際にパチンコ店で働く店長から聞いた話をもとにまとめていきます。

パチンコ店で日常的に行われている「釘曲げ」とは?

「Dステーション大間々店」が受けた6ヶ月以内の営業停止処分とは、遊技業関係における行政処分の中でも「Bランク」に位置する非常に厳しい処分となっています。

今回の処分の理由については「釘曲げ」と報道がなされています。

この「釘曲げ」という行為がいわゆる「遊技機の無承認変更」と認定されたわけなのですが、「遊技機の無承認変更」に該当する行為の中には、他に次のようなものがあります。

  • 遠隔操作を目的とした装置の取り付け
  • 「裏モノ」と呼ばれる不正基盤への交換

今までの業界ではこのような「不正改造」とも呼ばれる事由での「営業停止処分」や「営業許可取消処分」などはありましたが、「釘曲げ」が処分の対象となることは殆どありませんでした。

というのも、パチンコ店の営業においては、釘を叩くという行為は非常に日常的なものであり、それをいちいち取り締まることなどは不可能だったからです。

なぜ取り締まりが不可能かというと、日常的に行われている「釘曲げ」(=釘を叩く)という行為は、釘を0.1mmサイズで動かす類のものであり、それを確認することは至難の技であるからです。

この辺り少し分かりにくいと思いますので、もう少し分かりやすく説明をしていきます。

そもそもパチンコというものは「確率のゲーム」です。

例えば「319分の1」の確率の遊技機は、全ての通常抽選において319分の1の確率での大当たり抽選を行い続けています。

機種の細かなスペック(出玉数や継続率)などにより大当たりの確率は同じであっても、投資金額と回収金額の「ボーダーライン」は変わってきます。

パチンコが好きな方には分かりやすいと思いますが、1000円あたり「◯回転」回すことができれば「ボーダー越え」などと表現されることが多いものになります。

そしてこの「ボーダーライン」という基準をもとに、スタート(=へそ)と呼ばれる箇所への入賞個数をコントロールする手法が「釘曲げ」(=釘を叩く)という行為になるのです。

一般的な遊技機であれば「へそ釘」のサイズを0.1mm動かすことによって、100発あたりのスタート回数が0.1回程度変わってきます。

通常のパチンコ店が遊技機のデータを管理する為に用いている「ホールコンピューター」では100発あたりのスタート回数が表示され、パチンコ店ではその数値を上下させることにより日々の利益調整を行っています。

次の表はある機種のシミュレーションになります。

スタート(回) 5.00 5.10 5.20 5.30 5.40 5.50 5.60 5.70 5.80
千円スタート(回) 17.3 17.7 18.2 18.7 19.2 19.7 20.2 20.8 21.3
出玉率(%) 94.7 95.8 96.9 98.0 99.1 100.2 101.3 102.3 103.4

実際は各店舗における交換率(換金率)によってボーダーラインは変わってきますが、等価交換の場合であれば、スタート5.50回(毎分)ぐらいがボーダーラインになります。

そして、このような基準をもとに、出玉を放出したい日にはスタートを高め、利益を取りたい日にはスタートを下げるのです。

そのスタートの上げ下げををコントロールする行為が日常的に行われる「釘曲げ」(=釘を叩く)というものになります。

そして、この表で一番「回らない」状態でもある5.00回から最も「回る」状態の5.80回までをへその「釘曲げ」で行おうとした場合には、0.8mm程度釘を動かすことになります。

店舗の営業方針によって異なりますが、日常的に0.8mm程度も釘を動かす店は少数派であり、通常の店舗であれば0.2〜0.3mm程度しか釘を動かさないはずです。

警察がこの違いを管理することが不可能な理由はお分かり頂けるのではないでしょうか?

おそらく「Dステーション大間々店」の「釘曲げ」はこのような日常的に動かす場所と別の「他入賞口」などと呼ばれる箇所のものを指摘されたのだと思われます。

パチンコ店の営業におけるグレーゾーンとは?

パチンコというものの本質は「ギャンブル」でありながら、法的な解釈では「遊戯」として取り扱われていることは多くの人の知るところです。

その法的な解釈を可能にしているのが「三店方式」と呼ばれる仕組みであり、その仕組みによってパチンコはギャンブル(=賭博)ではないと解釈されているわけです。

この三店方式と同じように、「釘曲げ」もグレーゾーンであるというのはパチンコ店の営業に携わる多くの人の認識になっているようです。

近年、違法な「釘曲げ」を防ぐことを目的にした「釘シート」と呼ばれるものがあります。

透明なアクリルシートに遊技機の釘の位置がプリントされているもので、釘の納品状態がどのようなものであったかを確認できるものになっています。

ただし、このシートにプリントされている範囲であれば釘を動かすことは可能であり、「釘シート」は決して万能なものではないのです。

パチンコ反対派の人にとってみれば何ともずさんな管理に思えてしまうかも知れないですが、これがパチンコ業界の現状でもあるのです。

まとめ

いかがでしたか?

現役のパチンコ店長から話を伺う機会があり、このような記事を書くことができました。

今回の「Dステーション大間々店」の摘発は氷山の一角でもあり、何かしら「見せしめ」のようなものだったのかも知れません。

業界としてはしっかりと法令を遵守しながら営業を行っていく意識をますます強く持つべきでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。